心理カウンセラー講座コラム

08.自己開示と自己顕示の違い

人とのコミュニケーションで大事になってくるのは、自己開示の動きです。人にどう思われるかを不安に感じたり、自分の考えや言葉によって相手に悪印象を与えたりしてしまうのではないかという心配といった事前の抑圧がない状態で、単純に自分の情報を人に伝えることがそれに当たります。
一方自己顕示とは、自分の存在を人に必ず認めてほしい、または他人よりも目立つ印象を与えたいといった、ある意味下心のある状態から、自分の情報の中で有利なものだけを選んでことさらに提示することを指します。この場合、完全な嘘でなくても、自分の情報にある程度色を付けて発することもあるでしょう。
この自己開示と自己顕示には、根本的な発想から異なるものであるといえます。以下で見ていきましょう。

自己開示の重要性

人とコミュニケーションを取るに当たって、単純に自分が持っている性質や考え方、エピソードなどを語ることは日常的によくあることでしょう。そのときに、その話を聞いている他人がどのような印象を持つかを特に考えていない瞬間も多いはずです。こういったものを自己開示と言い、コミュニケーションの基本であるともされます。
この動きの特徴は、自分の情報を聞く相手がどのような反応を返すか、これを言っておけば好かれそうだ、逆にこれを言えば嫌われるであろうといった事前の予想を立てない状態でただ情報を開示しているのみであるという点です。これは人と接したり会話したりする際に基本的に行われていることで、「今自分は自己開示をしている」と意識している方はそう多くないでしょう。
このように、自分を包み隠さず開示するということは、その話を聞く相手からの信頼を得られることにもつながります。掛け値なし、もしくは利害なしの状態で自分のことを話してくれているという姿勢を感じとれば、相手も自分のことをさらけ出そうという気持ちになれるのです。
コミュニケーションとはこうしたやりとりが重なることによって成立します。自分がオープンになることで人もオープンになり、そこには信頼関係も生まれてきます。この人は嘘をつかない、また自分の自慢ばかりをしないという安心感を持つことができるためです。

自己顕示との違い

一方、職場や学校などで自分の話しかしないという印象の方も多くおられることでしょう。口を開けば自分が昔功績をあげた思い出やモテた実績、また良い行いをしたときのことなど、自分が自分がという話が止まらなくなる方はどのような組織にもいるものです。
こうした自慢話や良い話しかしない方は、それを話している最中にも、自分がどうすればよく見られるか、この話をすることによってかっこよく思われるだろうかということを常に念頭に置いていることが考えられるのです。この動きは自己顕示であると言うことができ、世間では「自己顕示欲の強い人は嫌われる」という通説にもつながります。
このパターンがなぜ不快かというと、そこには自分の印象を持ちあげるという意図しか汲み取れないためです。自己顕示とは、人によりよく思われたい、また嫌われるのを避けたいという気持ちから、人に話す情報を選んだり大げさにしたりといった事をして人に話しているだけということです。
逆に、嫌われたくないからといって当たり障りのない情報しか出さないことは、人にとっても開示されたと言う印象を受けないものです。人にもなかなか心を開いてもらえませんし、自分自身も本当の部分を隠し通したままで息苦しくなってしまいます。

自然に自己開示ができるように

自己開示と自己顕示を比較したとき、より自然に人間関係を築くことができるのは自己開示がうまくいったときであるといえます。何の見返りも期待せずに自分の情報を人に伝えることは、ときに怖いことでもありますが、包み隠していないコミュニケーションとはそこから生まれてくるはずです。
しかし、ただ開けっぴろげにして「どうしてわかってくれないの」と思ってしまっては、それは自己顕示にすり変わってしまうことになります。いかに自然に人間関係を築くために自分を開示するかは、その関係性によって変わってくるといえるでしょう。
自然な形で自己開示が行えるように、相手との距離感を測りながら行っていくことも大切です。

自己開示の返報性

心理学で使用される数々の言葉の中で、自己開示の返報性と言われるものがあります。平たく言えば、自分から自己開示を行えば、相手はそれと同等の自己開示をしてくれるというものです。この返報性に関しては、自己開示に限らず例えば好意・愛情に対しても適用されますし、この原理を利用して商売やビジネスにおける取り引きに用いられることもあります。
まず相手を知りたければ、自分が知りたいことと同等の情報を開示することから始めましょう。

関係性を見る

どのような場合でも、初対面のときと数ヵ月付き合いがある場合では、情報の開示の仕方も内容も異なってくるでしょう。自己開示の返報性の原理に基づいて少しずつコミュニケーションの中でその情報の深さが掘り下げられていくのが自然な形であり、そのために時期を追うごとに親密性や信頼感が増すわけです。
しかし、全くの初対面で何も知らない状態から、かなりコアな部分までを開示してしまっては、相手がそれについていけなくなって口を閉ざしてしまうこともあるかもしれません。相手との関係性を見ながら自己開示の方法を探っていくのが自然でしょう。

嫌われてもいいという気持ち

自分が好きになった人ならなおさら、嫌われたくない、またはよく思われたいという気持ちが働くものです。しかし、それを重視するあまりに相手が本当に知りたい情報を隠していいところだけを選りすぐった自己顕示を出してしまうと、相手との距離はどんどん遠ざかる一方です。
自己顕示にすり変わってしまうのは、相手からの評価を過剰に気にしすぎているためです。そのような気持ちは極力なくし、嫌われてもいい、または評価がどうなっても構わないという気持ちを持てることが真のコミュニケーションの第一歩になるでしょう。

自己開示と自己顕示を自分で使い分けるのは、ときに困難なこともあります。もし自分が自己開示を行っていると思っていても、そこに自分の下心が混じっていると自己顕示となり、また、その違いには本人が一番気付かないというケースは多々あります。相手のこともそうですが、何よりも自分を信頼して情報を単純に見せるという姿勢が大切です。

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